|
フリーピストン形スターリングエンジンの特性 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
「スターリングエンジンの理論と設計」（山海堂，1999年）の第８章７節に述べられているフリーピストン形スターリングエンジン（FPSE）の近似的な解析手法（Fourier展開に基づく線形化近似）は，FPSEの基本的特性の検討に役立つと思われる。しかしながら，紙面の都合もあって，具体的な計算方法についての説明が十分でないため，読者が例題をフォローしたり，新たな条件を設定して計算を行う際に，困難を伴うことがあるのではないかと予想される。 【注】 第８章７節の正誤表をページ下端に示した。 ＊＊ 同書は「スターリングエンジンの設計」（パワー社，2009）として再出版 ＊＊ そこで，これらをサポートするため，実行ファイルfpseFLA.exeを作成してダウンロードできるようにした。fpseFLA.exeの機能は以下の通りである。 Ａ）表8.3に相当するFPSEの特性をファイルへ出力するとともに，図8.33に対応するピストンと ディスプレーサの位置，作動空間とバッファ空間の容積および圧力の周期的変化を表わすグラフ を描画する。 Ｂ）主要な４個のパラメータ c：減衰係数比， mp：ピストン質量比， mg：封入ガス量比， w：振動数比 のうちの３個を固定して，残りの１個の可変限界（可変範囲）を計算し，グラフィックス表示す る。これらのパラメータの可変範囲は一般にかなり狭いため，この結果は，パラメータの数値を 設定する際に役立つものと思われる。可変限界は，主に， (1) ディスプレーサがシリンダヘッドに衝突する限界 (2) ディスプレーサとピストンが衝突する限界 (3) 解が存在しなくなる限界 によって決められる。 ただし，これらの計算は，標準的な条件（例題）から大幅に異なる条件を設定した場合には，エラーが発生して停止する可能性がある。また，標準的な条件に近い場合でも，上記のパラメータ等に可変範囲から外れた値が設定されていると，解は得られても，有効な解ではない可能性（例えば，ディスプレーサがシリンダヘッドに衝突！）がある。 fpseFLA.exeはLiberty BASICによって作成したもので，手元のWindows
98SE，2000，Xpで正常に動作することを確認している。Vistaでも32ビット版ならば問題なく動作するようである。 プログラムの改変などを行うために，ソースファイル（テキスト形式）が必要な場合には，その旨を作成者（iyama670@nifty.com ）へ連絡してほしい。 FPSEロゴを右クリックし，「対象をファイルに保存」を選択 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
ピストン位置，圧力，容積の周期的変化（fpseFLA.exeによる計算例） |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
パラメータの可変限界（fpseFLA.exeによる計算例） |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
第８章７節の正誤表 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
